「仕事が落ち着いたら行こう」
その言葉、何年言い続けていますか?
僕は10年以上言い続けて、気づいたら30代になっていました。この記事は、そんな僕が33歳の夏に北海道で気づいた話です。
夏は80回しかない
人生を80とすると、夏は80回しか来ない。そして、同じ夏は二度と来ない。
ネットで広まっている言葉で、誰が言ったかはわからない。でも僕はこの言葉がずっと頭に残っています。
今、僕はPCの前で北海道行きフェリーの予約画面を眺めています。予約ボタンを押す前に、毎回少しだけ止まってしまう。33歳の、あの夏のことを思い出すから。
有給が取れなかった時代

当時の僕は、ただただ遠慮していたんです。
一番年下ということもあって、先輩たちが有給も取らずに働く環境で、自分だけ休むなんてどうしても気が引けた。組織の中で信頼を積み重ねることが「ちゃんとした大人」だと思っていたし、北海道に行きたい気持ちはずっとありながらも、「今は忙しいから」と自分に言い聞かせて、いつか、いつかと言いながら30代になっていました。
⚠️ 「いつか行こう」という言葉は、自分からつかみに行かない限り、永遠にやってきません。
海外駐在が、僕を変えた転換点

そんなある日、会社から海外駐在を打診されました。中国とタイ。誰もが嫌がる過酷な環境で、上司が僕に頼み込んできたんです。
現地は凄まじかった。治安も悪いし、誰も信号を守らない。目の前で強盗に遭遇したこともありました。何より、日本人は僕一人だけ。孤独の中で、誰にも頼れず、ただ必死に仕事を終わらせました。
死ぬ気でやり遂げて帰国した時、ふと思ったんです。
「あんな極限を乗り越えてきたんだ。もう、これくらい自分のためにわがままを言っても、バチは当たらないだろう」
あれが、僕が「人の目」ではなく「自分の人生」を基準に生きる覚悟を決めた、本当の転換点でした。
33歳、北海道で泣いた理由

我慢の限界を超えたのが、33歳の夏でした。有給を使って、北海道へ向かうフェリーに乗った。
小樽に着いて、バイクで走り始めた。
広い。ただ、とんでもなく広い。
どこまでも続く道と、あの独特の冷たい風の匂い。
しばらく走ったところで、急に泣けてきた。悔しさ?いや、もっと深い喪失感に近い感情でした。
「なんでもっと早く来なかったんだ」
10代や20代の自分なら、この景色をどう感じただろう。

例えば小学生の頃、親からもらった小遣いで駄菓子屋に行き、安いアイスをセミの鳴き声の中で食べる。あの楽しさや美味しさは、30代の今、同じことをしても二度と味わえない。感性は、年齢とともに確実に鈍っていく。それを突きつけられた気がしたんです。
その夜、ホテルのベッドでずっと考えていました。自分は何に遠慮していたんだろう。会社?上司?それとも、自分自身?
そこで初めて気づいたんです。
💡 気づき
僕は「会社の期待に応えること」と「自分の人生を生きること」を、完全に同じことだと思い込んでいた。でも考えてみれば、それは全然別の話です。仕事で期待に応えるのは当たり前のことで、それとは別に、自分の人生をどう使うかは自分自身が決める問題だったんです。
「通行手形」という発想への転換

最初の北海道ツーリングのための10連休の申請は、正直怖かった。でも自分には支えがありました。前に話した中国とタイでの駐在経験です。あの孤独で困難だった日々を乗り越えた経験が、僕の心を強くしてくれていました。
「あれを乗り越えた自分が、有給申請ごときで怯んでどうする」
そして、ただ頼み込むんじゃなくて、条件を提示することにしました。
「連休までに溜まっている仕事は完遂させます。だから、その直後の期間は、有給で僕の時間として確保させてください」
結果は、あっさり通過。拍子抜けするくらい、本当にあっさり通ったんです。
その瞬間に気づきました。上司や会社が怖かったんじゃなくて、ずっと自分で自分を縛り付けていただけだったんだって。
✅ 通行手形の発想
- 周りに文句を言わせないレベルで義務を完遂する
- 「頼む」のではなく「条件を提示する」
- 先に担保を示すことで、相手が断る理由をなくす
これが、会社に飼われるのではなく、自分が人生のハンドルを握る感覚の正体でした。
その感覚を一度つかんでからは、有給もどんどん取れるようになりました。そしてその積み重ねが、今のFIRE生活につながっています。
あなたの夏を、誰にも奪わせないでほしい

もし、あなたが今もまだ「仕事が落ち着いたら行こう」と思っているのなら。
その「いつか」は、自分からつかみに行かない限り、永遠にやってきません。
明日、一つだけ、小さくていいから「自分のための予定」をカレンダーに入れてみてください。そのためにどう仕事を調整するか、少しだけ戦略的に考えてみる。それは会社を裏切ることじゃありません。あなたの人生を、あなたの手に取り戻す最初の一歩です。
夏は80回しかない。
あなたが何歳であっても、今年という夏は二度とやってこない。
さあ、フェリーの予約画面、開いてみませんか。
あなたの冒険は、そこから始まります。
動画でも話しています
この記事の内容は、YouTubeでも6分ほどの動画にしています。テキストより音声で聞きたい方はこちらからどうぞ。
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