こんにちは!バイク歴30年のベルと申します。
バイクのオイル交換は、エンジンの健康を保つために欠かせないメンテナンスです。しかし、いつ交換すればいいのか、どんなオイルを選べばいいのか、自分でやるべきなのか、業者に頼むべきなのか、など疑問に思うことは多いでしょう。
この記事では、バイクのオイル交換に関する基礎知識から、メリットやデメリット、やり方やコツ、選び方や注意点などを徹底解説します。バイク初心者でもわかりやすく、バイク上級者でも役立つ情報をお届けします。
この記事は以下のような人に向いています。
- バイクのオイル交換の必要性やメリットを知りたい人
- バイクのオイル交換のタイミングや方法を知りたい人
- バイクのオイル交換に適したオイルの種類や選び方を知りたい人
- バイクのオイル交換を自分でやるか業者に頼むか迷っている人
- バイクのエンジンや走行性能を向上させたい人
バイクのエンジンオイルとは?その役割は?
バイクのエンジンオイルとは、バイクのエンジンを潤滑・冷却・洗浄する液体です。エンジンオイルはバイクの性能や寿命に大きく影響するため、定期的に交換する必要があります。
面倒だけどオイル管理を適当にしてしまうとその分、早くエンジンの寿命を迎える事になるんだ。
役割その1「潤滑作用」
エンジンオイルの潤滑作用は、エンジンとトランスミッション内部の摺動面に油膜を形成して、摩擦抵抗を減らし、摩耗や熱を防ぐ役割があります。
実際にエンジン内部ではピストンが高速で動いており、バイクのエンジンは1分間で数千回転もしています。ピストン、シリンダー、クランクシャフト、カムシャフトといったエンジン内部の部品は金属同士で接触しており、摩擦によって熱や摩耗が発生しますがこれらを防ぐためには、エンジンオイルが必要なんですよね。
役割その2「冷却作用」
エンジンオイルの冷却作用は、エンジン内部の熱を吸収して外部に放熱し、エンジンの温度を下げる役割があります。
エンジン内部では燃焼や摩擦によって、非常に高温になります。エンジンオイルはエンジン内部を循環しながら、この熱を吸収します。
エンジンオイルはオイルパンやオイルタンクに走行風を当てることで放熱します。また、オイルクーラーという装置を使って、オイルを冷やすこともあります。
役割その3「密封作用」
エンジンオイルの密封作用は、シリンダーとピストンの間に油膜を作って、燃焼ガスの漏れを防ぐ役割があります。
シリンダーとピストンは、エンジンの動力を発生させるために高速で動きます。このとき、隙間がないと摩擦が大きくなり、エンジンの性能が低下します。しかし、隙間があると、圧縮や燃焼時に気密が保てず、パワーロスやエネルギーの無駄になります。
エンジンオイルは、この隙間に流れ込んで油膜を形成し、燃焼ガスの漏れを防いでるんですよね。
役割その4「防錆作用」
エンジンオイルの防錆作用は、エンジン内部の金属部品に油膜を作って、錆や腐食を防ぐ役割があります。
エンジンオイルの防錆作用は、特に長期間バイクを放置する場合や、冬季など湿度が高い場合に重要です。
長期間バイクを放置すると、エンジン内部に水分が溜まりやすくなります。冬季は気温が低く、エンジンが冷えると水分が凝結しやすくなります。このような場合に、エンジンオイルがしっかりと防錆していないと、エンジン内部が錆びてしまい、エンジンの寿命を縮めたり、故障の原因になったりするんですよね。
最高級は何?エンジンオイルの種類について
エンジンオイルの種類は、主に鉱物油、部分合成油、化学合成油の3種類に分けられます。最高級は化学合成油です。
化学合成油は、鉱物油や部分合成油と比べて、耐熱性、耐摩耗性、清浄性などの性能が高く、エンジンの保護や燃費向上に効果的です。化学合成油の中でも、グループが3・4・5と分類されていて、エステル系が最も優れた性能を持ちます。
この項目では各オイルの特徴を説明させてもらいますね。
これで十分?「鉱物油」
バイクのエンジンオイルには、鉱物油、部分合成油、化学合成油の3種類があると説明しましたが、その中でも一番安い鉱物油について、特徴やメリット・デメリットを紹介します。
鉱物油とは、地中から掘り出した原油を精製し、添加剤を配合したエンジンオイル。鉱物油は、合成油に比べて低コストなため、販売価格を抑えられるのが大きなメリットです。しかし、高温(高回転)を持続すると、油膜が切れやすいという特性があります。そのため、街乗り用やツーリング用として用いるのがベストです。
旧車や空冷エンジンのバイクに多く使われています。
デメリットは価格?化学合成油
次はオイルの中でも一番高性能な化学合成油について、特徴やメリット・デメリットを紹介します。
化学合成油とは、石油由来ではなく、人工的に作られた原料から作られたエンジンオイル。化学合成油は、鉱物油や部分合成油に比べて、耐熱性や耐摩耗性が高く、粘度の安定性も優れているのが特徴。そのため、高温(高回転)や低温(冬場)でも安定したエンジン性能を発揮できます。しかし、高性能な分、価格も高くなるのがデメリット。また、エンジン内部の汚れを浮かせる力が強いため、定期的なオイル交換やフィルター交換が必要です。
レース等の過酷な状況で使われているのが化学合成油。CBR1000RRのようなバイクでスポーツ走行するような人にオススメです。
全合成油との違いは?「部分合成油」
部分合成油は鉱物油に全合成油を混ぜたエンジンオイルで、鉱物油より劣化しにくく耐熱性能も高いですが、全合成油ほどではありません。部分合成油はコスパが高く、一般的な車種や走行条件に適していますが、高性能なエンジンや厳しい走行条件には全合成油がおすすめです。
部分合成油は鉱物油に全合成油を混ぜたオイルで、部分合成油全体に占める全合成油の割合は20%以上となるように定められています。部分合成油は鉱物油の弱点を補うよう設計されており、鉱物油より劣化しにくく耐熱性能も高くなっています。しかし、全合成油ほどではないため、最高レベルの性能を求める場合は不向きなんですよね。
鉱物油と100%化学合成油のちょうど中間にあるのがこの合成油。自分が乗っているスーパーカブの指定オイルのウルトラG1も2021年から鉱物油から部分合成油になりました。
バイクのエンジンオイル交換の必要性とメリット
バイクのエンジンオイル交換は、エンジンの寿命を延ばし、性能を維持し、燃費を向上させるために必要です。エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑、冷却、密封、清浄、防錆などの役割を果たすと説明しましたが、使用するうちに劣化や汚れが進み、その機能が低下します。そのため、定期的に新しいオイルに交換することが必要なんですよね。
オイル交換しないとエンジンの音やシフトフィールも変化していきます。バイクの車種にもよりますが交換後1000km~2000kmでカムシャフトの音(タペット音)が多少目立ってくるんですよね。
エンジンオイルを交換しないとどうなる?
エンジンオイルを交換しないとエンジン内部の性能が低下し、潤滑や冷却、清浄などの機能が損なわれこれによってエンジンの寿命が縮まり、重大なトラブルが引き起こされる可能性があります。
よくある現象としては・・・
・オイルが劣化しエンジン性能を維持できなくなる
・オーバーヒートや焼き付きにつながり再起不能になる場合もある
こういった事が起こります。
ここでエンジンオイルを全く交換しなかったエンジン内部を見て見ましょう。
汚い画像で申し訳ないが2万kmエンジンオイルを交換しなかった軽四の末路。油路が詰まり、チェックランプ点灯。エンジンのメインシャフトの部品が脱落。
— やくしま (@yakushima_ste) August 5, 2020
オイル交換はちゃんとしようね… pic.twitter.com/6VBp9YuLyW
見よ、これが新車から1万キロオイル交換しなかったスーパーカブのエンジンの中身だ!!!(エンジンブローで廃車) pic.twitter.com/HJ2hdArewg
— 黒酢 (@kuro969) March 5, 2016
エンジンオイル交換を怠るとオイルがヘドロのようになってエンジン内部を潤滑しなくなっている様子が写真から伝わってきますね。
定期的なオイル交換でエンジンを守りましょう!
バイクのエンジンオイル交換のタイミングと頻度
バイクのエンジンオイル交換のタイミングと頻度は、メーカーの推奨に従いつつも、走行距離と時間の経過を考慮して適切に行うことが大切。
ここではオイル交換のタイミングについて解説させてもらいます。
メーカー推奨の交換時期を見てみよう!
車でもバイクでもよく聞くのが「3000kmで交換」ですがバイクを作っているメーカーはどのように言っているのでしょうか?
HONDAの公式サイトを覗いてみたところこのように表記がされていました。
初回1,000kmまたは1か月、 以後3,000kmまたは1年毎 | 空冷車 ただし、ドライサンプ車及びオイル・クーラ付き空冷車を除く |
初回1,000kmまたは1か月、 以後6,000kmまたは1年毎 | ●250cm3までの水冷車 ●ドライサンプ車及びオイル・クーラ付空冷車 |
初回1,000kmまたは1か月、 以後10,000kmまたは1年毎 | 251cm3以上の水冷車 |
HONDAではエンジンの冷却方式と排気量によって区別をされているようです。念のためにYAMAHAの交換推奨時期も見てみましょう。
初回1,000kmまたは1か月目 以降10,000km毎または1年毎 | 251cm3以上の水冷車 |
初回1,000kmまたは1か月目 以降6,000km毎または1年毎 | 126cm3から250cm3の水冷車、ドライサンプの空冷車、オイルクーラー装備の空冷車、51cm3以上のスクーター水冷車(YP250、CP250、YP400Gを除く) |
初回1,000kmまたは1か月目 以降3,000km毎または1年毎 | 125cm3以下の水冷車、50cm3のスクーター水冷車、50cm3以上のオイルクーラー未装備の空冷車 |
YAMAHAのオイル交換推奨時期もHONDAとは大差が無く、エンジンの冷却方式と排気量に依存しているようです。
両者の推奨時期をまとめると…
・125~250ccの水冷orオイルクーラー付きのバイクは6000kmまでに交換。
・251cc以上の水冷車は10000kmまでに交換。
メーカーが推奨するエンジンオイル交換時期は思っているよりも長めに設定されていますね。個人的には上の赤枠で書かれている数値に0.65をかけた距離で交換したほうがエンジンが長持ちするように感じます。
バイクのエンジンオイル交換の方法と費用について
オイル交換をするには自分で交換するか、バイクショップに依頼するかの2通りがあります。
それぞれがいくらぐらいの費用がかかるかについて触れていきます。
業者に依頼する場合の交換工賃は?
バイクショップに依頼する場合は、エンジンオイルと交換作業の工賃がかかります。
エンジンオイルは自分で交換する場合と同じくらいですが、工賃は店舗によって異なります。
一般的には2,500円~18,000円ほどです。ただし、カウルなどの脱着作業が必要なバイクは追加料金が発生することがあります。
2,500~18,000円と工賃に大きな開きがあるのはBMWやハーレーなどの外国車をディーラーで交換してもらうと高額になるケースを含んでいるからですね。
ちなみにHONDAやBMWの正規ディーラーでのオイル交換工賃が高いと感じる人は「バイクのパーツ等を販売している二輪館やナップス」で交換してもらうと多少は安くなる傾向があります。
自分で交換する場合
自分で交換する場合は、ショップでお願いするよりも安く済むのですが工具を持っていない場合はエンジンオイルと交換に必要な工具や部品の費用がかかります。
自分でエンジンオイル交換をする方法はスーパーカブでの説明になりますが別記事で説明させてもらっているのでそちらをみてくださいね。
\クリックしてね!スーパーカブのオイル交換の方法はこちら/
自分のバイクにあったオイルの調べ方
バイクのエンジンオイルは、バイクの性能や寿命に大きな影響を与える重要な部品です。しかし、エンジンオイルには種類がたくさんあり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。そこで、この記事では、自分のバイクにあったオイルの調べ方を紹介します。
バイクのメーカーや型式を確認する
バイクのメーカーや型式を確認することで、メーカーが推奨するオイルの種類や量を知ることができます。メーカーが推奨するオイルは、バイクのエンジンに最適な性能を発揮するものです。メーカーが推奨するオイルは、バイクの取扱説明書やサービスマニュアルに記載されています。また、インターネットで検索することでも簡単に調べることができます。
自分のバイクの「車名」と「指定オイル」で検索をかけるとすぐに色んな情報が出てきますよ。不安であればディーラーに電話して聞くのが確実です。
オイルの粘度や規格を確認する
オイルの粘度や規格を確認することで、バイクのエンジンに適したオイルの性質や品質を知ることができます。
オイルの粘度は、オイルが流れる速さや抵抗を表す指標で、高粘度のオイルは流れにくく、低粘度のオイルは流れやすいです。
一般的には、気温が高いときは高粘度のオイル、気温が低いときは低粘度のオイルが適しています。オイルの粘度は、容器に書かれている数字で表されます。例えば、10W-40という場合は、10Wが低温時の粘度、40が高温時の粘度を表しています。
自分のバイクの指定オイルより硬いオイルを使うのは燃費が悪化したりするだけで済むのですが、指定オイルより柔らかいオイルを使うのはエンジンにダメージを負う可能性があるので注意が必要です。
まとめ
正しいエンジンオイルの選定と定期的な交換は、バイクの健全な運行と楽しい走行体験をサポートする大切な要素です。エンジンオイルの役割をしっかりと理解しておきましょう。
しっかりとエンジンオイルを管理して長く愛車と付き合っていきましょう!
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