大阪から東に向かうとき、バイク乗りにとって一番しんどい鬼門といえば「愛知県(名古屋周辺)」ではないでしょうか。
名古屋の市街地、終わらない信号、そして激しい渋滞。あそこを通過するだけで、旅の序盤にして体力と気力を大幅に削られてしまいますよね。
「最速で行くだけなら中央自動車道を使えばいい」と思われるかもしれません。でも、高速道路をただ走り続けるだけでは、それは単なる「移動」になってしまいます。せっかくバイクで旅に出るなら、道中そのものを楽しみたいものです。
そこで今回は、愛知をほぼ完全に回避しながら、高速代はわずかETC1,270円(門真〜山科のみ)に抑え、道中の走りも最高に楽しめる長野・松本への「裏ルート」を実際に走ってきた経験をもとに徹底解説します!泊まれるキャンプ場や立ち寄りスポット、所要時間の目安まで網羅しているので、ぜひ次回のツーリング計画の参考にしてください。
夏の避暑ツーリング豆知識|標高が100m上がると気温は0.6℃下がる

ルート解説の本題に入る前に、夏場に役立つライダー向けの豆知識をひとつご紹介します。夏にバイクで走っていると、平地の容赦ない暑さにうんざりすることがありますよね。
そんな時は、標高の高い場所を目的地にするのが鉄則です。実は、標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がるという法則があります。
今回目指す長野県松本市の標高は約600m。これだけでも、条件にはよりますが平地より約3〜4℃涼しい計算になります。さらにルートの途中にある木曽路の山の中に入れば、気温はさらに下がって快適になります。夏の避暑ツーリングとして標高の高い場所を目指すのは非常に理にかなっており、このルートは夏に走る価値が特に高いと言えます。
大阪〜長野(松本)愛知回避ルートの概要
今回ご紹介する、速さと安さと気持ちよさを両立したルートの全体像は以下の通りです。
- 第2京阪道路:門真IC 〜 山科出入口(ETC料金:1,270円)
- 湖西バイパスを北上 〜 琵琶湖北側へ
- 国道303号線で東へ(西美濃・岐阜の山の中へ)
- 国道41号線から国道19号線(木曽路)を北上して松本へ
大阪市街地と名古屋周辺という、東西の二大混雑エリアを賢くバイパスする構成になっています。全体的に信号が少なくて非常に走りやすく、ルート上には道の駅が点在しているため、疲れたタイミングで自由に休憩を挟むことができます。山間部を多く走りますが、ガソリンスタンドなども普通に営業しているため、燃料補給で困る心配はありません。
このルートの見どころと走りのポイント

1. 湖西バイパスから琵琶湖北側へ「旅の始まりを感じる瞬間」
最初の高速区間を終えて山科から湖西バイパスに入ると、しばらくは快適な直線道路が続きます。ただ、単調な直線を走り続けて少し飽きてきたころに、琵琶湖の北側ののどかな一般道へと抜けることになります。このタイミングで一度休憩を入れるのがおすすめです。
この琵琶湖北側あたりから、周囲の空気がガラリと変わるのを感じられるはずです。コンビニの数が少しずつ減り、目の前に山が近づいてくる。「ああ、いよいよ旅が始まったな」と、ライダーとして一番ワクワクする瞬間を肌で味わうことができます。
2. 国道303号線 信号ゼロの快走路で岐阜の山越え

国道303号線に入ると、信号がほぼ皆無の本格的な山道へと突入します。西美濃の美しい山並みを抜け、岐阜の深い山の中へと進んでいく区間は、バイクを操る楽しさを存分に味わえるワインディングが続きます。ここでも道の駅が点在しているので、自分のペースに合わせて無理なく休憩を挟めます。
3. 国道19号線(木曽路) 単なる通過点ではない、目的地になる道

国道41号線を経由して国道19号線に入ると、いよいよ美しい木曽路の北上が始まります。ここがとにかく気持ちいい快走路です。
道中には歴史を感じる関所跡があったり、少し足を伸ばせば「阿寺(あてら)渓谷」に寄り道することも可能です。阿寺渓谷はエメラルドグリーンに輝く透明度の極めて高い川が流れる絶景スポットで、ここを訪れるだけでも遠回りする価値があります。木曽路の区間は、長野へ行くための単なる通過ルートではなく、それ自体が素晴らしい目的地になってくれます。
大阪出発の所要時間・タイムスケジュールの目安
実際に僕がNC750Xで走った際のリアルな時間と距離の目安です。スケジュールを立てる際の参考にしてください。
- 出発時間:午前 9:10(大阪出発)
- 到着時間:午後 15:50(愛知県犬山市・桃太郎公園着)
- 走行距離:約240km
- 所要時間:約6時間半(途中のスーパーでの買い出し時間なども含む)
初日は少しのんびりめの9時過ぎに出発して、夕方前には中間地点のキャンプ場に到着してのんびりキャンプを楽しむ、という大人の余裕を持ったスケジュールです。もし早起きをして朝7時前などに出発できれば、初日の段階でさらに奥の長野県内(木曽駒冷水公園など)まで余裕を持って、かなり楽なペースで走り切ることも可能です。
ルート上にあるおすすめの宿泊(キャンプ)スポット2選
大阪から長野へ向かうちょうど中間エリア(岐阜・愛知境〜長野入り口)には、バイク乗りにとって非常に都合の良いキャンプ場が2箇所あります。どちらも実際に僕が泊まってきた場所です。
① 桃太郎公園(愛知県犬山市)

一つ目は、初日の目的地とした桃太郎公園です。
- 料金:500円
- 設備:トイレあり、水場あり
- 注意点:料金が格安で非常にありがたいスポットですが、トイレと水場がテントサイトからめちゃくちゃ遠いという弱点があります。夜中にトイレに行きたくなったときは暗い中を結構歩くことになるので、その点だけは事前に覚悟して利用してください。
② 木曽駒冷水公園(長野県木曽町)

二つ目は、もう少し距離を伸ばした先にある木曽駒冷水公園です。
- 料金:無料
- 設備:トイレあり(サイトからも比較的近い)
- 特徴:無料で利用できる上に設備が整っており、ライダーにとって楽園のようなキャンプ場です。午前中のうちに大阪を早めに出発できるのであれば、初日にここまで頑張って走ってきた方が、夜のキャンプ生活自体はより快適に過ごせるかもしれません。
まとめ 東京方面への遠征にも応用できる最強の愛知回避ルート
今回ご紹介した「大阪発・愛知回避の長野ルート」は、松本周辺を目指すライダーだけでなく、実はそのまま下道で東京方面へと向かう長距離遠征にも応用できる優秀なルートです。僕自身、この道をベースにして何度か東京までバイクを走らせています。
高速道路で一気に目的地までワープしてしまうのも便利で否定はしません。しかし、今回ご紹介したような、一見すると少し遠回りに思えるような下道メインのルートの方が、五感で景色や空気を感じられる分、不思議とあとになって深く記憶に残るものです。
高速代を極力抑えつつ、渋滞ストレスをなくして走りも旅情も妥協したくない。そんな熱い思いを持つ関西のライダーの皆さんは、ぜひ次のシーズンにこの裏ルートを試してみてください!
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