NC750Xは不人気でつまらない?RC90(MT)オーナーが語る「絶望」と「納得」の境界線 | 車とバイクのベルブログ
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NC750Xは不人気でつまらない?RC90(MT)オーナーが語る「絶望」と「納得」の境界線

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「NC750Xは、つまらないバイクだ」

キャンプ場で佇むHONDAのNC750X

もしあなたが、弾けるような加速や峠を攻める高揚感を求めているなら、その評価は100%正しい。ネットを叩けば「不人気」「パワー不足」「教習車」という言葉が並び、正直、隣に止まった400Xを見て「あっちの方がカッコいいじゃんw」と苦笑いすることだってある。

実際、オーナーである僕だって不満だらけだ。 キャンプ道具を満載したシートバッグのベルトをいちいち解かないとガソリンすら入れられない「給油の儀式」は地味に面倒だし、低回転型を謳うくせに2,000回転以下でスロットルを開ければ、粘りきれずに「カリカリ……」とノッキング気味な音を立てるエンジンには、「もっとドコドコと力強く前に進んでくれ」と毒づきたくなることもある。サスは硬く、峠の下りではシングルディスクの制動力にヒヤヒヤさせられることだって珍しくない。

おまけに、このバイクの代名詞である「DCT(自動変速)」にすら、僕は興味がなかった。あえて時代に逆行するように、クラッチレバーを握るMT車を選んだ。

BMW R1200GSA
以前に乗っていたR1200GSA

だが、かつてBMWのR1200GSAという「巨大な要塞」に跨り、圧倒的な所有感に浸っていた僕が、なぜ今この「地味な750cc」で満足しているのか?

それは、バイクという乗り物を「見栄」や「刺激」の道具から、自分の人生を豊かにする「等身大の道具」へと引きずり下ろしたとき、このバイクが放つ「圧倒的な納得感」に気づいてしまったからだ。

今回は、スペック表の解説ではない。 RC90(2018年式)と日々を共にし、酸いも甘いも噛み分けたオーナーとしての「絶望」と「救い」の記録を、正直にお話ししたいと思う。

結論から言えば、このバイクは「不人気」ではない。ただ、「バイクに刺激を求める人」には地獄、「人生の道具を求める人」には天国という、極端な一台なのだ。

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なぜNC750Xは「不人気・つまらない」と検索されるのか?

NC750Xと検索すると不人気や不満などと出てくる関連キーワードの画像

ネットの検索窓に「NC750X」と打ち込むと、真っ先に出てくる不穏なキーワード。なぜこれほどまでにレッテルを貼られてしまうのか、その理由は明確だ。

「刺激」という物差しの不在

NC750Xのエンジンと出力特性の画像
出典 HONDA

このバイクのエンジンは、わずか6,000回転でレブリミットを迎える。4気筒エンジンのような突き抜ける咆哮もなければ、目が追いつかない加速もない。バイクに「非日常の刺激」を求める人からすれば、この早すぎる頭打ちは「退屈」そのものに映るだろう。

教習車イメージの呪縛

教習専用モデル「NC750L」の存在も大きい。多くのライダーにとってNCは「初めて乗った大型バイク」であり、「誰にでも動かせる無個性な存在」という印象が強く刷り込まれている。趣味の道具に「毒」や「尖り」を求める層にとって、その優等生すぎるイメージは所有欲を削ぐ要因になってしまう。

カタログスペックの地味さ

最高出力は50馬力台、フロントはシングルディスク、そしてアメリカンのように寝たキャスター角。数値だけを見れば、最新のスポーツバイクはおろか、格下のミドルクラスにさえ見劣りする。カタログを眺めているだけでは、このバイクを選ぶ「積極的な理由」を見つけるのが非常に難しいのだ。

正直に語る「5つの不満」これは欠点ではなく「性格」だ

上り坂を登っているNC750Xにのっているライダー目線の画像

僕が日々乗っていて「ここはちょっとな……」と感じる、リアルな不満を挙げてみる。

1. 低回転型のくせに「粘り」が足りない

「低回転トルク重視」という触れ込みだが、過度な期待は禁物だ。特に強めの上り坂で、2,000rpm以下からスロットルを大きく開けると、エンジンが「カリカリカリ……」と悲鳴(ノッキング音)を上げ始める。1,000rpm付近からでもドコドコと粘り強く前に進む、大型らしい「懐の深さ」を期待すると、少し肩透かしを食らう。(2000rpm以上であれば十分トルクフルです)

2. 毎回発生する「給油の儀式」

NC750Xのリアシートを跳ね上げてガソリンスタンドで給油している画像。

キャンプツーリングを愛する者にとって、シート下の給油口は最大の懸念点だ。僕はTANAXのシートバッグを愛用しているが、給油のたびに4点締めのうち後ろ2つのバックルを外し、バッグを運転席側へずらさなければならない。絶望するほどの手間ではないが、雨の日や急いでいる時には「やっぱり、めんどいな」という本音がこぼれる。

3. 曲がるには「意志」と「バンク」がいる

フロントフォークが寝ているせいか、最近のバイクのような「視線を向けただけでスッと曲がる」感覚はない。しっかりと車体をバンクさせていかないと、思い描いたラインをトレースできない。どっしりとした直進安定性の裏返しだが、クイックな旋回を求めるなら「重い」と感じるはずだ。

4. 律儀すぎる足まわり

未舗装路を走っているNC750X
未舗装路では小さなギャップでもガツガツと振動が伝わってくる

前後サスペンションは硬めで、ストローク量も決して十分とは言えない。路面の凹凸をいなすというよりは、衝撃をそのままライダーへ伝えてくる。良く言えばインフォメーションが豊富だが、悪く言えば「お尻に優しくない」足まわりだ。

5. シングルディスクの緊張感

僕のRC90(2018年式)は、この車重にしてフロントシングルディスク。ツーリング中、下り坂のコーナー手前で減速する際は、レバーを握る手に自然と力が入る。止まらないわけではないが、ダブルディスクの余裕を知っていると、どうしても「ヒヤヒヤ」する瞬間があるのは事実だ。

【フォロー】 勘違いしないでほしいのは、これらは致命的な「欠陥」ではないということ。すべてはこのバイクを「実用バイクの極致」として成立させるために、ホンダが意図的に選んだ「性格」なのだ。

あえて「DCT」を捨て、MT(マニュアル)を選んだ理由

NX750Xの横からとった画像

NC750Xといえば、今やDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)が主流だ。しかし、僕は迷わずMT車を選んだ。

「効率」よりも「対話」

クラッチ操作から解放されるDCTは、確かに素晴らしい技術だ。だが、僕は「不便な楽しみ」を捨てきれなかった。左手でクラッチを切り、左足でギアを叩き込む。その一連の動作が、僕にとってはバイクに乗る儀式そのものだったからだ。

MTだからこそ分かる「エンジンの美味しいところ」

前述した「2,000rpm以下のカリカリ音」も、MTなら自分の意志で回避できる。音が鳴る直前にシフトダウンするか、クラッチを当てて逃がすか。不器用なエンジンの「美味しいところ」を自分の手で探し出し、トルクを繋いでいく。その「操っている感」こそが、地味なこのバイクを唯一無二の相棒に変えてくれると僕は考えている。

BMW R1200GSAを降りて気づいた「所有感」の呪縛

海辺の道路に佇むR1200GSA

実は、僕が以前乗っていたのはBMWのR1200GSA(アドベンチャー)だった。

30リッターの巨大なタンクに、どんな悪路もいなすサスペンション。跨ればそこは「巨大な要塞」の中で、圧倒的な所有感と羨望の眼差しに包まれるバイクだった。どこへ行っても一目置かれ、高速道路では王者のように振る舞える。

そんな「最高峰」を経験した僕が、なぜ今、真逆とも言える地味なNC750Xに乗っているのか。

「巨大な要塞」から「等身大の道具」へ

自宅ガレージで整備中のNC750X

GSAは素晴らしかったけれど、どこかで常に「バイクに見合わなければならない」というプレッシャーを感じていたのかもしれない。 対して、NC750Xに乗り換えて最初に感じたのは、肩の荷がふっと降りるような解放感だった。圧倒的な威圧感も、他者からの嫉妬もない。でも、見栄を張るのをやめたら、軽くて、ガレージから気軽に出して乗れるというバイク本来の自由が手に入った。

隣の400Xがかっこよく見える余裕

NC400X
NC400X 出典 HONDA

正直に言おう。道の駅で隣に400X(現NX400)が止まったら、「あっちの方がデザインが洗練されていてかっこいいじゃんw」と本気で思う。 でも、不思議と悔しくはない。今の僕には、誰かに自慢するための「所有感」よりも、自分が使い倒して納得できる「実用美」の方が大切だからだ。見栄を捨てた先にある、この「枯れた余裕」こそが、大人になって見つけた最高の贅沢だと思っている。

【最終ジャッジ】このバイクで「後悔する人」vs「最高の相棒になる人」

キャンプ場でテントの横に泊まっているNC750X

ここまで読んでくれたあなたなら、もう答えは見えているかもしれない。このバイクは、選ぶ側の「価値観」を容赦なくあぶり出す。

後悔する人

  • バイクに「加速の快感」や「旋回性能」を求める人
  • 誰かに「すごいバイクに乗ってるね」と言われたい人
  • エンジンの高揚感や制動力でストレスを解消したい人

こういう人がNC750Xを買うと、一週間で「つまらない」と後悔することになるだろう。

満足する人

  • バイクに「生活」や「旅の道具」としての機能を求める人
  • 「見栄」を捨て、「納得」と「実用美」を愛せる人
  • 派手さよりも「疲れないこと」「壊れないこと」に真の価値を感じる人

今の僕にとっては、これ以上の正解はない。

迷っているあなたへ

もしあなたが今、「不人気って聞くけど、自分には合う気がする。でも決めきれない……」と迷っているなら、軸を一つだけ変えてみてほしい。

それは、「バイクをどう使いたいか」ではなく、「バイクとどう生きたいか」だ。

スペックで勝負するステージを降りて、もっと肩の力を抜いて旅を楽しみたい。そう願うなら、このバイクは最高の扉になってくれるはず。

次の一歩に迷っているなら「今の現在地」を知ることから

なにかに悩んでいる男性の画像

もしあなたが今、「不人気って聞くけど、自分には合う気がする。でも今のバイクを手放してまで……」と迷っているなら、一つだけアドバイスをしたい。

乗り換えを迷う本当の理由は、実は「欲しいバイクがあるか」ではなく、「今の愛車の価値がいくらなのか」が見えていないからだったりする。

「いくらになるか」が分かれば、納得感はもっと深まる

バイクは乗りながら考えるには、ちょっと高い買い物だ。頭の中だけで「あーでもない、こーでもない」と悩んでいても、結局は「予算」という現実的な壁に突き当たって思考が停止してしまう。

でも、自分のバイクが「いくらで売れるのか」という具体的な数字=現在地が分かった瞬間、モヤモヤしていたパズルが急に組み合わさり始める。

僕もGSAから降りる時、査定額を知ったことで一気に心が決まった

正直、僕もGSAを降りる時は相当迷っていた。あんなに高かったバイクを売るときに「どうせ大した値段はつかないだろう」と勝手に決めつけて、一歩踏み出せない日々が続いていた。

けれど、思い切って査定に出して具体的な金額を提示されたとき、「あ、これなら無理なく次へ行ける。今の自分にはこっちの方が正解だ」と、一気に心が決まったのを覚えている。

納得して次へ進むための「整理のツール」

今は、昔のように何軒もバイク屋を回る必要はない。オークション形式で複数の業者から一気に査定が取れる「カチエックス」のようなサービスを使えば、しつこい電話に悩まされることもなく、スマホ一つで愛車の最高額がわかる。

もちろん、いいことばかりではない。
ネット完結ゆえに「納得のいく査定額を出すためには、10枚以上の写真を丁寧に撮る手間」がかかるし、実車を見ない査定だからこそ「情報の伝え漏れがあると、引き取り当日に減額やキャンセルが発生するリスク」もゼロではない。対面で熱くカスタムのこだわりを語って金額を上乗せする、といった泥臭い交渉もできない。

それでも、このサービスを使う価値は「透明性」にある。
これを「売るための道具」と考えるとしんどいけれど、自分のバイクライフを「納得して再構成するための整理ツール」だと考えれば、これほど便利なものはない。まずは自分の現在地を知る。そこから、本当の意味での「納得できるバイク選び」が始まるんだと思う。

\どんなサービスか見てみる/

まとめ NC750Xは「情熱」ではなく「納得」で選ぶ1台である

NC750Xは、決して熱狂的なファンを作るタイプではないし、誰にでも手放しで勧められるバイクでもない。

でも、バイク選びの基準を「他人の目」から「自分の納得」へとシフトしたとき、これほど頼もしい相棒は他にいない。刺激や高揚感といった「情熱」で選ぶバイクも素晴らしいけれど、日々の生活に溶け込み、どこまでも連れて行ってくれる「納得」の一台と過ごす時間は、何物にも代えがたい贅沢だ。

北海道の直線道路とNC750X

あなたがもし、僕と同じように「刺激のステージ」を一段降りて、もっと自由で等身大なバイクライフを楽しみたいと思っているなら。

この「不人気な名車」は、きっとあなたの期待を、斜め上の方向から裏切ってくれるはずだ。

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