2026年2月、新日本海フェリーから料金改定の発表があった。
正直、最初に数字を見たとき「ミスかと思った」。250ccのバイクが11,400円から21,500円。ほぼ倍だ。
僕はバイクで舞鶴から何度か北海道に渡っている。今年の夏も行くつもりだった。だからこの改定は他人事じゃない。数字を整理して、自分なりの結論を出すことにした。
この記事でわかること
- 2026年6月からの料金改定の具体的な中身
- 排気量区分の変更がライダーに何をもたらすか
- NC750Xで往復すると実際いくら増えるか
- 関西からの代替ルートは本当に使えるのか
- 舞鶴発・小樽着の乗船体験と着港後の宿事情
新日本海フェリーとはどんな船か

まず知らない人のために基本情報を整理しておく。
新日本海フェリーは、関西(舞鶴・敦賀)、新潟、秋田と北海道(小樽・苫小牧東)を結ぶ日本海航路の会社だ。1970年に舞鶴〜小樽航路を開設し、今も毎日1便が運航されている。
使用船は「はまなす」「あかしあ」「けやき」など。全長200m超の大型フェリーで、大浴場・レストラン・ショップ・スクリーンルームなどを備える。ライダーにとっては愛車と一緒に乗れる「動くホテル」だ。
舞鶴〜小樽の基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出港時刻(舞鶴発) | 23:50 |
| 着港時刻(小樽着) | 翌日20:45 |
| 所要時間 | 約20時間55分 |
| 運航 | 毎日1便(特定日除く) |
| 乗船締め切り | 出港60分前(繁忙期90分前) |
深夜に舞鶴を出て、翌夜に小樽に着く。約21時間、日本海の上に浮いている計算になる。
新日本海フェリーのバイク料金はいくら?【2026年6月改定の中身】

今回の改定で最も大きいのは、バイクの排気量区分が変わったことだ。
これまでは「125cc以下」「125〜750cc未満」「750cc以上」の3区分だったのが、2026年6月1日の出港便から「125cc以下」と「125cc超」の2区分に簡素化された。
つまり、250ccも400ccもNC750Xも、ハーレーの1800ccも、全部同じ料金になる。
バイク運賃の比較(舞鶴〜小樽・期間A・片道)
| バイク区分 | 改定前(〜5/31) | 改定後(6/1〜) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 125cc以下(原付) | 8,000円 | 12,000円 | +4,000円(+50%) |
| 125cc超〜750cc未満 | 11,400円 | 21,500円 | +10,100円(+89%) |
| 750cc以上 | 14,400円 | 21,500円 | +7,100円(+49%) |
最も割を食うのは中型〜750cc未満のクラスだ。
旅客運賃(ツーリストA)も若干上がるが、上げ幅は限定的。バイク運賃だけが突出して高くなっている点が、今回の改定の本質的な問題だと思っている。
期間区分も確認しておく
新日本海フェリーの料金は期間A〜Dで変わる。期間が上がるほど高くなり、バイク運賃は以下のようになる。
| 期間 | 推定時期(過去傾向) | 旅客(ツーリストA) | 125cc以下 | 125cc超 |
|---|---|---|---|---|
| 期間A | 6月や9月以降 | 12,000円 | 12,000円 | 21,500円 |
| 期間B | 7月頃 | 13,500円 | 13,000円 | 24,500円 |
| 期間C | 7月下旬〜8月(お盆) | 20,000円 | 15,500円 | 28,000円 |
| 期間D | お盆ピーク・GW等 | 20,500円 | 16,500円 | 32,000円 |
※期間B〜Dの日程は2026年3月現在未発表。公式サイトで随時確認を。
期間Cになるとバイク運賃だけで28,000円。旅客運賃を合わせた片道合計は48,000円に達する。期間Dは旅客+バイクで片道48,500円、往復では約10万円を超える計算だ。
改定前の中型バイク(125〜750cc未満)の通常期運賃は11,400円だった。期間Dの32,000円はその約2.8倍になる。
舞鶴〜小樽フェリー、バイクで北海道は総額いくらかかる?【NC750Xで試算】

僕のNC750Xは745cc。改定前は「750cc未満」の区分で、大型より3,000円安かった。それが今回の改定で大型と同額になった上に、全体的な料金も大幅に上昇した。
舞鶴〜小樽で具体的に計算してみる。
片道コスト比較(ツーリストA+NC750X)
| 項目 | 改定前(期間A) | 改定後(期間A) | 改定後(期間C) |
|---|---|---|---|
| 旅客運賃(ツーリストA) | 12,000円 | 12,000円(据え置き) | 20,000円 |
| バイク(NC750X) | 11,400円 | 21,500円 | 28,000円 |
| 片道合計 | 23,400円 | 33,500円 | 48,000円 |
| 往復合計 | 46,800円 | 67,000円 | 96,000円 |
ここで気づくのは、旅客運賃(ツーリストA)は通常期に限れば据え置きだという点だ。値上げの全負担がバイク運賃に集中している。往復で計算すると、改定前後の差額は通常期でも2万円超。夏ピーク(期間C)で往復すると約10万円になり、改定前と比べると約5万円の増加になる。
これは「フェリー代が少し上がった」レベルの話ではない。北海道ツーリングの総予算設計を根本から見直す必要がある。
関西から北海道へのフェリー、代替ルートはあるのか

舞鶴・敦賀から北海道への航路は、関西圏からの唯一のフェリー航路だ。
「じゃあ別の航路を使えばいい」と思うかもしれない。実際に計算してみた。
代替ルートの現実
新日本海フェリーの新潟〜小樽を使う場合
新潟〜小樽は関西航路より絶対額は低い。期間A・125cc超で15,000円(旅客別)。しかし大阪から新潟まで自走すると高速代が片道8,000〜10,000円、ガソリン代も加算される。往復で考えると、フェリー運賃の差額はほぼ埋まる。体力的なコストも含めると、割安感は薄い。
太平洋フェリー(名古屋〜苫小牧)を使う場合
名古屋から北海道へ渡れるが、大阪から名古屋まで東名・新東名を走ると高速代が片道4,000〜5,000円かかる。苫小牧着なのでルート設計も変わってくる。
結論
どのルートも「フェリー代が安くなる分を移動費が食いつぶす」構造になりやすい。関西から乗る場合、舞鶴・敦賀が依然として最もトータルコストを抑えやすい。代替がないから値上げを受け入れるしかない、というのが現実だ。
バイクで北海道に行く一番安い方法は?フェリーvs飛行機+レンタルで比較した

ここは隠さずに書く。
「Peachで飛んで現地でレンタルバイクを借りる」という選択肢を試算した。想定は4日間(移動日含む)。到着日と出発日は札幌周辺の観光、2〜3日目の55時間をバイクでめいっぱい走るプランだ。

| プラン | 内訳 | 合計 |
|---|---|---|
| フェリー(NC750X・期間A往復) | 旅客24,000円+バイク43,000円 | 67,000円 |
| Peach+レンタル(6月・4日間) | 往復航空券12,000円+CB1000F 55時間35,000円 | 47,000円 |
6月の通常期でも、2万円レンタルの方が安い。
夏のピーク(期間C)で比較すると、フェリーは96,000円になる。差額は約5万円に広がる。
コスパだけで見れば、飛行機+レンタルの方が明確に安い。これは事実だ。
それでも僕はフェリーで愛車を持っていく。
「北海道をNC750Xで走る」という体験は、どのバイクを借りても代替できない。レンタルのCB1000Fがどれだけいいバイクでも、自分のシート、自分のポジション、自分のバイクで走ることとは別の話だ。
旅のコスパを最大化したいなら飛行機+レンタルを選べばいい。それは正しい選択だと思う。僕はそうしない、というだけだ。
舞鶴発・乗船の実際の流れ

数字の話だけでなく、実際に何度も乗ってきた経験から乗船の流れも書いておく。初めて利用する人の参考になればいい。
乗船前
舞鶴フェリーターミナルには、出港60分前までに到着が必要だ(繁忙期は90分前)。バイクは指定された車両待機レーンに並ぶ。乗用車と二輪は別のレーンに案内されることが多い。
手続きはターミナルビルで行う。予約番号を提示すれば比較的スムーズだ。乗船前にターミナルのトイレや売店を利用しておくといい。
船内でのバイクの扱い

乗船後、バイクは係員の誘導でデッキの所定位置に駐車する。固定はスタッフがロープで縛って対応してくれるので、自分で何かする必要はない。ただし、バイクに大きい荷物を積んでいると「バイクが倒れることがあるのでおろしてくださいね」とお願いされることがあるのでその時は素直に従いましょう。
船内の21時間

これが意外と長い。正直に言うと、かなり暇だ。
沖に出るとスマホのキャリア電波はほぼ圏外になる。ただし新日本海フェリーにはStarlink(スターリンク)を活用した「au Starlink フェリーWi-Fi」が入っているので、以前の「壊滅的な圏外」とは状況が違う。

Wi-Fiの実態:船全体の回線は100〜200Mbps程度だが、これを数百人で共有する。個人の手元では1〜5Mbps程度に落ち着くのが現実だ。LINEの返信やSNS投稿は普通にできる。YouTubeは480p(標準画質)なら比較的スムーズだが、1080p以上は混雑時に読み込み待ちが発生する。オンラインゲームや4K動画のガンガン視聴は期待しない方がいい。
また客室、特に窓のない内側の部屋では電波が届きにくい。安定して通信したいならロビーや共用スペースへ移動する必要がある。
料金はauユーザー無料、その他1,500円(24時間)。ただし有料プランも完全無制限ではなく、大容量通信では速度制限がかかる仕組みが一般的だ。
結論としては「繋がればラッキー、基本はデジタルデトックス」というスタンスが正解だと思っている。

乗る前にやっておくこと
– 動画・映画は事前にダウンロードしておく(高画質視聴は厳しい)
– 電子書籍を1〜2冊入れておく
– モバイルバッテリーを満充電にしておく
– 地図アプリの北海道オフラインマップをダウンロードしておく
これをやるだけで21時間の質がかなり変わる。
じゃあ何をして過ごすか。僕の場合は、酒を飲んで、本を読んで、風呂に入って、また飲んで寝る。これをゆっくり繰り返すだけだ。
ただ、この時間は嫌いじゃない。日常から強制的に切り離された21時間。デッキで日本海を眺めているだけでも頭がリセットされる。気づいたら思考が旅モードに切り替わっている。飛行機や新幹線では得られない感覚だと思っている。
船内には大浴場・レストラン・ショップがある。レストランはカレーやラーメンなどの軽食が中心で、味は「普通に食べられるレベル」。過度な期待はしなくていいかな…。
着いた夜の話|小樽港20:45着の現実

舞鶴を23:50に出て、小樽に着くのは翌日の20:45だ。
夜の9時前に見知らぬ港に降りて、そこから北海道のツーリングが始まる。興奮はあるが、21時間の船旅を経たあとの夜道を走るのはリスクがある。
僕は毎回、小樽港の近くに1泊してから翌朝走り始める。これが正解だと思っている。

なぜその夜に走らないか。疲労と判断力の問題だ。フェリーでそれなりに寝られても、長時間の移動後は集中力が落ちている。北海道の初日をどこから始めるかより、安全に初日を終えることの方が重要だ。
小樽市内から港まで近く、翌朝どの方面にも動きやすいのも利点だ。
小樽の宿は夏になると早めに埋まる。特に7〜8月のピーク期間は、フェリーと同時に宿の手配をしないと選択肢が狭まる。
北海道ツーリングの初日の宿は早めに。
苫小牧東港着の場合は着港時刻が異なるが(深夜になることも)、基本的な考え方は同じだ。港近くの宿を1泊押さえてから翌朝スタートすることをすすめる。
費用を抑えるための現実的な対策
値上げを嘆いても運賃は変わらない。できることをやるしかない。
1. 期間選びにシビアになる
期間Aと期間Bの差は125cc超で3,000円。往復で6,000円違う。出発日を1〜2日ずらすだけで期間をまたぐこともある。日程を決める前に必ず公式の料金表で期間を確認する。
2. 往復で予約する

往復割引が設定されている場合がある(最新は公式サイトで要確認)。片道ずつ予約するより有利なケースがある。
3. 予約は3ヶ月前の9時から
乗船日の3ヶ月前の同日午前9時から予約開始となる。夏の便は人気が高く、早い時間帯に希望の客室が埋まることがある。特にステートルーム以上のグレードを希望する場合、開始直後に予約を入れることをすすめる。
4. 旅客運賃のグレードで調整する

バイク運賃は全員同じだが、旅客運賃は客室グレードによって変わる。ツーリストA(最廉価)で我慢することで旅客分のコストを抑えられる。21時間の船旅、ツーリストAでも僕はそこまで不快ではない。
よくある質問

Q. バイクの積み込みは自分でやる必要がありますか?
A. 固定はスタッフがやってくれる。ロープで縛ってもらう形式なので、自分でサイドスタンドを出して停める、という感じだ。
Q. 荒天のとき、バイクは乗せられない?
A. 船体の動揺が予想される場合、積載をお断りすることがあると公式に記載されている。過去に1度、台風が直撃して出港が中止になり、新日本海フェリーから電話があって予定変更を促された事がある。海水温が上がり始める8月以降では注意が必要。
Q. Wi-Fiは使えますか?
A. KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレスが提供する「au Starlink フェリーWi-Fi」が利用できる。Starlinkを活用した最大220Mbpsのサービスで、海上でも高速通信が可能だ。
料金は以下の通り。
– auユーザー:無料
– au Starlink Direct専用プラン契約者(UQ mobile・povo・他社回線向け):無料
– 上記以外:1,500円(24時間)
povoユーザーは「au Starlink フェリーWi-Fiチケット(24時間)+0.5GB(3日間)」のトッピングが1,280円で提供されている(期間限定)。
UQやpovo利用者でもau Starlink Direct専用プランを契約していれば無料になるが、フェリー乗船のためだけに契約するサービスではないので、現在の契約状況を確認してから乗船に臨むのがいい。
電波が届かない海域もあり、速度は状況によって変わる。オフラインで楽しめる準備(ダウンロードした動画・電子書籍など)も一応しておくと安心だ。
Q. 125ccのスーパーカブなどはどうなりますか?

A. 125cc以下の「原付自転車」区分は据え置きで別設定だ。期間Aで12,000円(改定前8,000円)。値上げはあるが、中型より安いことに変わりはない。
Q. 乗船手続きはどのくらい前に行けばいい?
A. 通常期は出港60分前、繁忙期(GW・夏休みなど)は90分前が目安。舞鶴の場合、深夜0時前の出港なので22時〜23時頃にはターミナルにいることになる。
「それでも行く」という結論

値上げを知ったとき、正直「今年は見送りか」と一瞬思った。
だが少し考えて、やっぱり行くことにした。
理由はシンプルで、北海道を愛車で走ることの価値は、フェリー代では測れないからだ。費用が上がったのは事実で、旅の予算設計は変わる。でも「行く理由」は何も変わっていない。
コストが上がった分、期間の選び方や宿の手配をより丁寧にやる。それだけのことだ。
北海道ツーリングのコストが上がった時代に、それでも行く理由がある人間が乗る船になった。そう考えれば、乗客の密度は変わらないかもしれない。
まとめ

・2026年6月1日から排気量区分が「125cc以下」「125cc超」の2区分に変更
・中型〜750cc未満クラスの値上げ幅が最も大きく、通常期片道で+10,100円
・夏ピーク(期間C)の往復はフェリー代だけで約10万円
・関西からの代替ルートは自走費込みで考えるとコスト差が出にくい
・乗船体験自体は変わらない。船内の暇つぶしの準備は必要
・小樽着は20:45。その夜は港近くに1泊してから翌朝スタートが安全
・期間の選び方と早めの予約で、コストをある程度コントロールできる
\北海道ツーリングの初日の宿は早めに/
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