京都府で唯一の村、南山城村。その深い緑に囲まれた旧田山小学校の校舎に、週末だけ明かりが灯るカフェがある。名前は「cafe ねこぱん」。ここは単に食事をするための場所ではなく、五感を研ぎ澄ませて季節の移ろいを楽しむための、非常に繊細な空間だった。
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覚悟を持って挑む、校門への激坂

訪れる前に一つ、心に留めておいてほしいことがある。 このカフェへ続く最後の道は、かなりの覚悟が必要な激坂だ。私は以前、車高の低いロードスターで伺ったのだが、入り口の斜度に対してフロントのエアロをガリガリと鳴らしながら、なんとかギリギリ登り切ることができた。車検に通る範囲の車であっても、エアロパーツがついているなら登りも下りも細心の注意を払ったほうがいい。

バイクで向かう場合も、初心者の方や足つきに不安がある人、タンデムで訪れる方は油断できない。小排気量のバイクなら、登りは思い切ってアクセルを大きく開ける必要がある。
傾斜地や土の駐車場で役立つ「デイトナのサイドスタンドホルダー」

無事に校庭のグラウンドへ辿り着いても、バイク乗りにはもう一つ関門がある。地面が土なので、そのまま停めるとサイドスタンドがめり込んで転倒する恐れがあるのだ。特にこうした廃校の校庭やキャンプ場のような場所では、スタンドの沈み込みは命取りになる。

ここからはツーリング目線の余談だけど、私はこういう場所へ行くときは必ずデイトナのサイドスタンドホルダーを携帯するようにしている。
これ一つを敷くだけで、不安定な土の上でも安心して愛車を預けることができる。ポケットに入るサイズなので、ツーリングには欠かせない相棒だ。
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教室に広がる、五感を満たすアンサンブル

玄関で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて廊下を進む。

教内に入ると、そこには外の喧騒を完全に遮断した別世界が広がっていた。

私がお邪魔したのは秋だったが、店内には紅葉したモミジやザクロが美しく飾られており、そのさりげないしつらえに、季節や食を慈しむ店側の繊細な心遣いを感じた。

店員さんの装いも、空間に溶け込むようにおしゃれで洗練されている。 天井から古い照明が放つ温かい光。耳に心地よく届く控えめな音楽。そしてキッチンから聞こえてくる、トントンという包丁の音や調理の響き。

それらすべてが、大きな窓から差し込む秋の柔らかな光と混ざり合い、言葉にできないほど落ち着く空間を作り上げている。
ここは、お気に入りの本を一冊持って、ゆっくりとページをめくるのが最高に似合う場所だと思う。
丁寧に作られた、少し贅沢なランチ

今回いただいたのは、看板メニューのベーグルランチだ。 正直に言うと、料金設定は少し高めで、ボリュームも控えめだと感じた。でも、一品一品が驚くほど丁寧に作られているのが伝わってくる。

空腹を満たすための食事というよりは、上質なコース料理を少しずつ味わうような、そんな贅沢な体験に近い気がした。

注文を受けてから料理が運ばれてくるまでの時間も、ゆったりとしている。もし次に予定が詰まっているなら、あまりおすすめはできない。でも、その待ち時間さえも、この空間の一部として楽しめる心の余裕がある時にこそ、この店の真価がわかるはずだ。

なお、支払いは現金のみだった。最近はキャッシュレスに慣れている人も多いと思うが、ここでは小銭入れを忘れずに持っておくのが正解だ。
訪れる前に知っておきたいこと

ここを訪れる際に困らないよう、いくつか実用的な情報を添えておく。
まず営業スケジュールだが、正直いつ開いているかが非常に分かりにくい。私はいつも、行く前に必ず公式サイトのNEWSページで開店スケジュールを確認するようにしている。せっかくあの激坂を登って閉まっていたら悲しいからだ。
公式サイト → https://cafenekopan.com
それから、お手洗いは学校の設備をそのまま利用する形になる。

決して汚くはないけれど、最新のピカピカな設備ではない。私は全く気にならなかったが、衛生面を極端に気にする方だと、少しだけマイナスに感じるポイントかもしれない。

店内には美味しいベーグルや、ずっと眺めていたくなるようなおしゃれな雑貨もたくさん並んでいた。レストランを利用しなくてもこれらを購入して帰ることができるので、次は手土産だけ買いに寄るのもいいかもしれない。
- 店舗情報
- 店舗名 cafe ねこぱん
- 住所 京都府相楽郡南山城村田山中シヨジ 旧田山小学校
- 電話番号 080-2433-7272
- 営業時間 11時から17時まで 第1から第3の土曜日と日曜日のみ営業 (連休などの不定期オープンは公式サイトのNEWSを確認)
- 駐車場 旧校庭を利用可能(無料)
旅の続き
お会計を済ませて外へ出ると、山の空気は一段と澄んで、身体の隅々まで行き渡るようだった。 こけないように慎重に、でもどこか満たされた気分でゆっくりと坂を下り始めた。
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